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書籍レビュー『火星パンダちとく文学』
正装でゴージャスなフルコースもいい。ホテルのバイキングで食べ放題もいい。だが、飾らずに普段着で出かけられる近所の定食屋が様々なおかずをバイキング形式で提供していたら、きっと通いづめてしまうだろう。本書はまるでそんな作品群なのだ。
驚かされるのがまず、フェイク帯。書籍下部四分の一に本体と違う色がぐるりと施され、これがまるで帯のように見える。はがそうとしてもはがれないのに気づくのは本書を手にとって数秒ほど経ってからなのだが、このデザインセンスにまずヤラれる。デザインは本書の編集も担当した村松恒平氏。絵も書も音楽もたしなむ氏は、フェイク帯裏面に「いま、いちばんおしゃれ」なるコピーをひょっこりと載っけている。これがまた私としてはツボってしまった点だ。デザインといい、コピーといい、否応なくただならぬ期待を抱かせられるのだ。
本書の著者は火星紳士、上野家ぱん駄、ちとくの三氏。タイトルはこの三人にちなんだものだ。三氏の味は三者三様で、例えるなら火星氏は洋食、ぱん駄氏は中華、ちとく氏は和食。火星氏はウィットに富んだその文体で、ぱん駄氏は練られたストーリーが三千年の歴史をも感じさせ、ちとく氏は近現代の日本純文学に似た重みがずっしりと胸に響く。だが、それらすべては定食屋のそれであり、決してスーツやネクタイ、ドレスを着て食べる必要はない。洋食はハンバーグやナポリタン、中華は肉野菜炒めやラーメンライス、和食はアジの開きやさばの煮付け。それらがまるでバイキング形式で眼前に並べられ、何から食べてもどこから読んでも違う味が楽しめる一冊となっている。
等身大の筆者たちから繰り出されるそのストーリーは、読者である私も等身大のまま、各話ごとに別世界に連れて行ってくれる。遠い遠い別世界ではなく、すぐ隣近所の少し違った世界へと。世間の喧騒に疲れたとき、ホッとしたいときには、是非この食堂へ、部屋着のまま訪れて欲しい。



■未確認迷惑ブンガク物体ブログ
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【2010/02/02 14:07】 | 好き | トラックバック(1)
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書籍レビュー『火星パンダちとく文学』
ボーカリスト・作詞家・映画ライターのLINDENさんから、ここ「掌編小説傑作選」掲載作品も採録されている『火星パンダちとく文学』のレビュー... 掌編小説傑作選【2010/02/04 01:47】
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